変形性膝関節症(関節可動域運動)

こんにちは、Adettoの森です。

今回のテーマは「変形性膝関節症のための関節可動域運動」です。

膝関節ROMの減少は姿勢や動作に影響するだけではなく、ADLにも影響を与えます。

評価では可動域制限を起こしている要因を改善します。

◆1、目的

①関節面alignmentの改善

②関節の遊びの改善

③関節主運動、副運動の改善

◆2、留意点

①関節可動域運動を行う前にリラクセーションを十分に得る必要があります。

タオルやクッションを用いて支持面を確保し、パーキングポジションを用いて

リラクセーションを測ります。

②膝蓋骨の滑動性を改善するために徒手によるモビライゼーションを行います。

③緊張が亢進している筋に対して直接圧迫します。

筋が本来もつ伸張性や粘弾性の改善を目的に、筋線維の走行方向と直角に

筋をモビライゼーションします。

④腸脛靭帯のタイトネスは膝関節伸展制限を生じさせます。

腸脛靭帯には大腿筋膜張筋、大殿筋上部線維、中殿筋、外側広筋、大腿二頭筋短頭が付着します。

それらの筋のリラクセーションを図るとともに、腸脛靭帯のモビライゼーションを十分に行います。

⑤立位では胸椎後湾や股関節伸展制限があると、それを補償するために膝関節屈曲が生じます。

肩関節や股関節の可動域制限は立位や動作での膝関節可動性に影響を与えます。

したがって脊柱可動域制限、股関節可動域制限、肩関節可動域制限は改善する必要があります。

⑥変形性膝関節症では足指を把握機能として使われません。

立位動作では足指伸展筋群の過緊張が観測されます。

それによって足指MP関節の屈曲可動域が著しく制限されます。MP関節屈曲が起きないと

足底内在筋が機能せず、姿勢制御の面から不利となります。

足指MP関節可動域の改善は必ず行う必要があります。

⑦他動的運動から自動運動による関節運動につなげていきます。

⑧膝関節は、立位では足部と股関節の間に位置する中間関節として運動します。

よって関節可動域運動においても膝関節の機能特性を考慮して行います。