変形性膝関節症(評価)
こんにちは、Adettoの森です。
今回は「変形性膝関節症(評価)」となります。
評価方法は主に6つあります。
1つ目は、立位荷重線(ミクリッツ線)です。
大腿骨頭中心と足関節中心を結んだ線、下肢機能軸と呼ばれることもあり、
荷重線が膝関節面を通過する位置を表すことができます。
変形性膝関節症では立位荷重線は、膝関節内側を通過しています。
2つ目は、大腿脛骨各の(FTA)です。
大腿骨と脛骨骨幹部の長軸のなす膝外側角であり、正常成人のFTAの正常値は
男性で175~178度、女性で172~176度の範囲です。
変形性膝関節症はこのFTAは大きくなります。
3つ目は、関節合力と外部膝関節内反モーメントです。
関節合力とは関節反力や関節間力とも呼ばれ、床反力、筋収縮力
(主に大腿四頭筋、ハムストリングス、腓腹筋)によって生じる大腿骨と脛骨間に
発生する力を合成したものをいいます。歩行時の膝関節合力は、内側
コンパートメントとが外側コンパートメントで平等に分散されているのではなく、
内側コンパートメントに生じる関節合力は、外側コンパートメントのそれと
比較してやや大きいとされている。
この膝関節内側コンパートメントにお生じている関節合力を表す指標として
外部膝関節内反モーメントがあります。
臨床的には身体重心の位置と膝関節中心地の距離によって推定できます。
変形性膝関節症では外部膝関節内反モーメントは大きくなります。
4つ目は、姿勢です。
本疾患には姿勢が大きく影響しています。内側型変形性膝関節症に多く認められる姿勢は
2つあります。1つは脊椎椎後湾・骨盤後傾に伴う膝関節内反変形です。
2つ目は、胸椎後湾・腰椎前弯・骨盤前方変位に伴う膝関節内反変形です。
5つ目は、膝関節副運動です。
膝関節の主運動は、屈曲・伸展です。転がり運動である屈曲・伸展に伴い、水平面上で大腿骨と
脛骨の回旋運動と前後の並進運動が同時に起きます。
この副運動によって中心軸の移動が生じ、膝関節運動が保障されています。
変形性膝関節症では膝関節副運動は減少します。
6つ目は外側スラストです。
歩行の初期接地から荷重応答期にかけて急激に膝関節が外側に移動する現象です。
内側型変形性膝関節症では外側スラストは外部膝関節内反モーメントの増加や進行を
助長する要因となります。